花は咲く


あの震災から早くも五年の月日が経とうとしている。
慰霊祭に参加させて頂いたとき、「花は咲く」が流れていた。
「花は、花は、花は咲く、私は何を残しただろう。」
自問する。私は何を残すのだろう。おそらく何も残さないだろうと思う。
震災の直後の原発事故が世界中に報道され、ドイツのネッチ本社から私宛に一通の
メールが届いた。
 
「あなたが希望するなら亡命(evacuation)を手伝う用意がある」
 
確かに、様々なルートから現場から直接届く情報は、切羽詰まったものであった。
危険な作業に従事するのは、“縦縞”ではなく、低賃金で働く孫請けの作業員だ。
日本の危機が救われたのは、かれらの犠牲があったからだと思う。
 本当に危機的な状況にあることは、むしろ海外の方が良く把握していたように思う。
 
私は返信した。
 「サムライの子孫には、逃げることは許されていない。」
 
時折、海外の同僚から、フクシマ後に人生観は何か変わったかと聞かれることがある。
そして変わっていないと答える。阪神淡路大震災で、心の中にある大事な皿が壊れて
しまったのを覚えている。そして無くした破片をまだ見いだせずにいる。
 
震災の数ヶ月前、数週間続いたあの名状しがたい不安感はいったい何だったのだろうか?
会社の会議での「大地震がおこるかもしれない」という発言は物議をかもしたが、結局
避難訓練をやろうということになり、その矢先のできごとだった。
 
私に予知能力があるとは思わない。これは仮説だが、大地震のエネルギーが蓄積されつつ
あるとき、何か低周波のようなものが発生するのではないか? 耳には聞こえないが、
低周波音というのは、人を不安にさせたり健康に害をおよぼしたりするのは最近では良く
知られている。1月に、着の身着のままで津波におそわれ、逃げ惑う夢を見た。夢の中で
何も用意していなかったことを大変後悔し、1か月ほどの備蓄をそなえた。
 
思えば船員だった祖父も、乗船が沈没してただ一人生き残ったという話を思い出した。
 
お客様には、地震研究の専門家もいらっしゃる。活断層の動きを、テーブルクロスの端を
引っ張られて、引っ張られている箇所に隣接している部分の動きで説明されて解りやす
かった。それを考えると、素人目にも、最近台湾の大地震から、桜島付近、鹿児島の
あたりが活発化しているように思える。構造線で言うと仏像線のあたりだ。私見ながら、
原発の再稼働はそのあたりは後回しの方が良いだろう。日本は地震国なので、地震が
起きるのは避けられないが、万一それがおきても、人の命が安全であることを心から
願います。
 
 
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