2016年3月30日水曜日

第11回アジア熱物性会議(ATPC)


こんにちは、篠田のブログです。

皆様は、第11回アジア熱物性会議(ATPC)の登録をもう済まされましたでしょうか?
持ち回りで今年は日本がホストで、102日~6日、パシフィコ横浜で開催されます。
ちなみに発表される方は、アブストラクト投稿は明日(325日)が締め切りです。
ということで、今回はATPCのアブストラクトが話題です。

私自身のスタンスですが、弊社は装置メーカーですから、研究者が成果を出すバック
アップに専念すべきで、最先端の研究情報と触れる機会が多く、装置が自由に触れる
のを良いことに学会発表に時間をとるべきでないと思います。あえてする場合は、
測定法や方法論にかかわることで、そうか、そういう装置、使い方、解析法があるのか、
やってみようとユーザーが思われるような内容であるべきと思います。

少し硬い話になりましたが、今回ATPCでもくろんでいるネタは、Kinetics モデルに
もとづく反応速度制御によるエポキシ樹脂の高熱伝導率化、です。

フィラーを使わずにエポキシ樹脂を高熱伝導率化する試みは、日立製作所の竹澤由高様
や、関西大学の原田美由紀先生が有名ですが、高次構造に立ち入らずに、硬化反応の
速度を例えば2%/分に制御したらどうなるか?そうすると3次元的なポリマーのネット
ワークが均一にできて、フォノンの散乱が抑制され、熱伝導率が上がるのでは?という
のがテーマです。そんなことができますか?という質問が出てきそうですが、理論的
にはできるはず、です。ここで使うのが、NETZSCH Thermokinetics ソフトウェアです。
これは、ABCDEDF)のように、最大6ステップまでフィッティングKinetics
モデルを決めることができて、しかもそれぞれのステップに自己触媒反応、核生成成長
モデルなど20種類の素反応を選ぶことができます。

元のデータとしては、DSCTGなど昇温速度の違うデータを測定してフィッティング
するのですが、全データに同時に合うものをさがすので、モデルがかなり絞り込めます。

そうすると、何が面白いか?
と申しますと、一旦モデルがきまると、任意の温度プロラムに対して硬化反応が予測
できますし、逆に一定の硬化反応速度にするにはどのような温度プログラムを組んだら
良いかまで計算できるのです。そうしたときに、熱伝導率はどうなるか?というのが
以前から興味があって、結果をまとめてみることにしました。

皆様も、LFADSC(どのメーカーでも可)NETZSCH Thermokineticsの三つがあれば
試せますので、ご興味のあるかたは試されてはいかがでしょう。ここで、DSCで使用
したものと同じサンプルで評価する必要はあります。

ところで、表題が完成したのですが、明日の締め切り、間に合うか!?(笑)

(本稿は324日に執筆しました。同日測定・解析が終了して、無事投稿終了 (-_-;) )


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2016年3月9日水曜日

花は咲く


あの震災から早くも五年の月日が経とうとしている。
慰霊祭に参加させて頂いたとき、「花は咲く」が流れていた。
「花は、花は、花は咲く、私は何を残しただろう。」
自問する。私は何を残すのだろう。おそらく何も残さないだろうと思う。
震災の直後の原発事故が世界中に報道され、ドイツのネッチ本社から私宛に一通の
メールが届いた。
 
「あなたが希望するなら亡命(evacuation)を手伝う用意がある」
 
確かに、様々なルートから現場から直接届く情報は、切羽詰まったものであった。
危険な作業に従事するのは、“縦縞”ではなく、低賃金で働く孫請けの作業員だ。
日本の危機が救われたのは、かれらの犠牲があったからだと思う。
 本当に危機的な状況にあることは、むしろ海外の方が良く把握していたように思う。
 
私は返信した。
 「サムライの子孫には、逃げることは許されていない。」
 
時折、海外の同僚から、フクシマ後に人生観は何か変わったかと聞かれることがある。
そして変わっていないと答える。阪神淡路大震災で、心の中にある大事な皿が壊れて
しまったのを覚えている。そして無くした破片をまだ見いだせずにいる。
 
震災の数ヶ月前、数週間続いたあの名状しがたい不安感はいったい何だったのだろうか?
会社の会議での「大地震がおこるかもしれない」という発言は物議をかもしたが、結局
避難訓練をやろうということになり、その矢先のできごとだった。
 
私に予知能力があるとは思わない。これは仮説だが、大地震のエネルギーが蓄積されつつ
あるとき、何か低周波のようなものが発生するのではないか? 耳には聞こえないが、
低周波音というのは、人を不安にさせたり健康に害をおよぼしたりするのは最近では良く
知られている。1月に、着の身着のままで津波におそわれ、逃げ惑う夢を見た。夢の中で
何も用意していなかったことを大変後悔し、1か月ほどの備蓄をそなえた。
 
思えば船員だった祖父も、乗船が沈没してただ一人生き残ったという話を思い出した。
 
お客様には、地震研究の専門家もいらっしゃる。活断層の動きを、テーブルクロスの端を
引っ張られて、引っ張られている箇所に隣接している部分の動きで説明されて解りやす
かった。それを考えると、素人目にも、最近台湾の大地震から、桜島付近、鹿児島の
あたりが活発化しているように思える。構造線で言うと仏像線のあたりだ。私見ながら、
原発の再稼働はそのあたりは後回しの方が良いだろう。日本は地震国なので、地震が
起きるのは避けられないが、万一それがおきても、人の命が安全であることを心から
願います。
 
 
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