第11回アジア熱物性会議(ATPC)


こんにちは、篠田のブログです。

皆様は、第11回アジア熱物性会議(ATPC)の登録をもう済まされましたでしょうか?
持ち回りで今年は日本がホストで、102日~6日、パシフィコ横浜で開催されます。
ちなみに発表される方は、アブストラクト投稿は明日(325日)が締め切りです。
ということで、今回はATPCのアブストラクトが話題です。

私自身のスタンスですが、弊社は装置メーカーですから、研究者が成果を出すバック
アップに専念すべきで、最先端の研究情報と触れる機会が多く、装置が自由に触れる
のを良いことに学会発表に時間をとるべきでないと思います。あえてする場合は、
測定法や方法論にかかわることで、そうか、そういう装置、使い方、解析法があるのか、
やってみようとユーザーが思われるような内容であるべきと思います。

少し硬い話になりましたが、今回ATPCでもくろんでいるネタは、Kinetics モデルに
もとづく反応速度制御によるエポキシ樹脂の高熱伝導率化、です。

フィラーを使わずにエポキシ樹脂を高熱伝導率化する試みは、日立製作所の竹澤由高様
や、関西大学の原田美由紀先生が有名ですが、高次構造に立ち入らずに、硬化反応の
速度を例えば2%/分に制御したらどうなるか?そうすると3次元的なポリマーのネット
ワークが均一にできて、フォノンの散乱が抑制され、熱伝導率が上がるのでは?という
のがテーマです。そんなことができますか?という質問が出てきそうですが、理論的
にはできるはず、です。ここで使うのが、NETZSCH Thermokinetics ソフトウェアです。
これは、ABCDEDF)のように、最大6ステップまでフィッティングKinetics
モデルを決めることができて、しかもそれぞれのステップに自己触媒反応、核生成成長
モデルなど20種類の素反応を選ぶことができます。

元のデータとしては、DSCTGなど昇温速度の違うデータを測定してフィッティング
するのですが、全データに同時に合うものをさがすので、モデルがかなり絞り込めます。

そうすると、何が面白いか?
と申しますと、一旦モデルがきまると、任意の温度プロラムに対して硬化反応が予測
できますし、逆に一定の硬化反応速度にするにはどのような温度プログラムを組んだら
良いかまで計算できるのです。そうしたときに、熱伝導率はどうなるか?というのが
以前から興味があって、結果をまとめてみることにしました。

皆様も、LFADSC(どのメーカーでも可)NETZSCH Thermokineticsの三つがあれば
試せますので、ご興味のあるかたは試されてはいかがでしょう。ここで、DSCで使用
したものと同じサンプルで評価する必要はあります。

ところで、表題が完成したのですが、明日の締め切り、間に合うか!?(笑)

(本稿は324日に執筆しました。同日測定・解析が終了して、無事投稿終了 (-_-;) )


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