“ゼロ”から、ですか?


(表題のゼロは、先日お台場で飛んだゼロ戦のことではありません。
ゼロ戦に話が飛ぶと二度と熱に帰って来られなくなるので自制いたします)
 
先月横浜と大阪で開催させて頂きました熱分析基礎講座は、合わせて80名とたくさんの
皆様にご参加頂きました。お忙しい中お越し頂きました皆様、有難うございました。
 
今月は名古屋と横浜で熱伝導率講座を開催いたしますが、こちらも併せて百名近くと会場
を広い部屋に急遽変更が必要なほどでした。昨今の熱測定に関する関心の高さをうかがい
知ることが出来ます。
 
熱伝導率基礎講座でご講演を頂きます、産総研の名誉リサーチャーの馬場哲也先生に
かねてから弊社内でご講義を頂いているのですが、やはり熱の本質的なことを理解する
には、統計力学や確率論をあらためてやらなければならないと痛感しました。
 
大学のときは、幸い久保亮五先生の統計力学の講義を拝聴する機会があったのですが、
もっと勉強してればと悔やまれます。(もっとも先生は、黒板に字を書かれるときは
体で隠してしまい、直ぐ消してしまうのでノートをとることは甚だ困難でした)
 
近年商売抜きで面白いと思っているのは、産総研様が開発して、産総研初ベンチャーの
PicoThermさんが開発・製造しておられるパルス光加熱サーモリフレクタンス装置です。
 
弊社が代理店になって国内外に販売しているわけですが、レーザーフラッシュをやって
いるとストレートに理解できます。レーザーフラッシュの温度履歴曲線は、熱伝導方程式から理論曲線が導き出されるわけですが、ナノの領域でもこれがあてはまるのです。
馬場先生がこの点の重要性をご強調されて、改めてそうかと思いました。熱拡散率という
物性値が、ナノスケールの熱の本質を表しているかもしれませんね。
 
ところでサーモリフレクタンス装置には、ナノ秒とピコ秒の二つのラインナップがあって、ナノ秒のデモ機は弊社にも設置しているのですが、ひとつ悩みができました。
NETZSCHの装置では、今までバルク(10μm以上)の試料だけが対象だったので、
サブミクロンの試料の膜厚の測定装置が手元にない、ということです。水晶振動子やら、
干渉式やらいろいろ調べてみましたが、どうも一長一短です。こうなったら、SEM
見て測長するのが一番良いだろうということで何とお買い物♪~、JEOLさんに卓上SEM
(ろくまるくん卓上SEMのろくまるくん)を買いに行って参りました。ラボのメンバーについて行って、デモ測定
に立ち会ってきました。
 
卓上といっても、高真空下の測定が可能で、100nm程度の膜厚までなんとか測定できる
のですからたいしたものです。それでいて、価格と大きさとは(ハイエンドの)熱分析
装置なみですから時代の進歩というものでしょうか?一日中私が同席する必要はなかったのですが、あえて最後まで残って担当者に、「買います」。
(これ一度言ってみたかった)

次世代にめざすは、ナノ領域の熱測定! 他の熱分析装置もこれに続けーといったところ
でしょうか?その前に、統計力学の復習だ、ということで本屋に寄って私が買いましたの
は「“ゼロ”からの熱力学と統計力学」でした(笑)


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